こんにちは、28歳の時に未経験からITエンジニアを目指したniyuta(@niyuta)です。
今回は、IT業界で働くのであれば知っておきたい契約形態について、書いてみたいと思います。
契約形態というと、法律関係のムズカシイ話なのでは? と思われるかもしれませんが、法律の厳格な言い回しより、ポイントを分かりやすくまとめてみましたので、心配はいりません。
目次
契約形態は3つ
IT業界でよく使われる契約形態は、下記の3つです。
② 準委任契約(通称、ジュンイニン、SES(エスイーエス))
③ 請負契約(通称、ウケオイ)
これから行う説明のため、まずは本記事内での呼び名を設定します。

ここを押さえとくと後の説明が分かりやすくなりますので、お願いしますね
あなたの所属会社:A社
A社の上司(あなたの上司):A課長
A社の委託元会社(クライアント):B社
B社の人:Bさん
B社のお客様(最終Client):C社
端的にいうと、C社がプロジェクトのオーナー(お客様=最終Cient)であり、一次委託先(プライムという)としてB社に発注。
さらに、B社からA社に仕事を依頼している構図となります。
その中で、あなたはA社のA課長チームのメンバーの1人と仮定します。
前置きが長くなりましたが、3種類の契約形態について、1つずつ見ていきましょう。
派遣契約(通称、ハケン)
派遣(ハケン)では、あなたは委託元(B社)に労働力を提供して報酬を得ます。
A課長は、B社に対して「どうぞあなたを好きに使ってください」と言っているようなものです。
この時、日々の仕事の指示は、Bさんから受けても全く問題ありませんし、それが普通です。
好きに使っていいのですから、契約の労働時間においては指示命令権限はB社(Bさん)にあります。
準委任契約(通称、ジュンイニン、SES(エスイーエス))
準委任(ジュンイニン)では、あなたは委託元(B社)に労働力を提供して報酬を得ます。
ただし、ハケンとは異なり、B社は好き勝手にあなたに指示は出せません。

仕事上の指示は、必ず上司のA課長を通して行う、がルールです。必ずです!!(後述します)
現場ではよく「ルートを通せ!」という言い方をします。
たとえば、Bさんがあなたに「●●の作業を明日までにお願いします」と言ってきたら、「(正しいルートで)A課長を通してもらえますか?(キリッ)」と回答しましょう。
請負契約(通称、ウケオイ)
請負(ウケオイ)では、文字通りお仕事をマルっと請け負います。
何を請け負うかというと、納期と納品物を守ります、ということをこの契約で約束します。
もし納期までに納品できない場合は報酬ゼロの可能性もあります。
請負契約の場合は、何をいつまでに納品するのか必ず確認しましょう。
請負契約の場合も指示命令は、A課長からになります。

仕事を請け負っているのに、日々Bさんからつべこべ言われたらモチベが下がりますよね(笑)
これまでの話を表にまとめると、こうです。
請負契約のメリット
請負契約のメリットはあるのでしょうか?
受注者にとってみれば、納品物を作成し、納期は必須、ここでは詳細に触れませんが、瑕疵(かし)担保責任(バグがあったらある期限までは無償で修正する責任)を負うこともあります。
請負契約における、発注側と受注側のそれぞれのメリットを見ていきましょう。
発注側(C社)のメリット
納期までに、指定したものを作成し、一定期間は直してくれる。
発注者にとって、これ以上の安心はありません。
請負契約は、発注側からすると基本的に嬉しい契約形態なのです。
受注側(B社やA社)のメリット

請け負いの受注側のメリットを一言でいうなら自由さです
ハケンやSESだと、発注側の指示通りに動く必要が生じ、自分たちのペースで仕事がやりにくい状態になります。
常に、あーしてほしい、こーしてほしいなどと指示と確認が入りますので。
一方、請負だと、納期までに納品物を作成すればよく、他の事の自由度が高いです。
具体的に何が自由かというと、人数、作業方法、働く場所、進捗報告は不要、再委託可能などです。
例えば、発注側は1億円の人件費がかかると思っていたとしても、独自の自動ツールなどを使って低コストで対応できれば、その分の利益はもちろん受注側が取れます。
実際にそういう効率化を行うことで、企業は利益幅を大きくしています。
最後に
契約形態の話で一番理解しておくことはルートを通せ!です。
もしあなたが発注者の立場で、受注者に何らかの指示を出す場合は、必ず受注側の責任者(リーダ)に依頼することを忘れないでください。
決して、受注者のメンバに直接指示出ししてはいけません。
もし、指示した場合は、偽装請負(ギソウウケオイ)という違法行為にあたります。
同じ部屋にいるとどうしても、「〇〇さん、ちょっとこの画面直してくれる?」とか、
メールやチャットでも「〇〇さん、テスト結果をもう一度取得して~」などとお願いしたい気持ちは正直わかります。
ですが、そのやり方は違法なので、絶対にやめましょう。
ざっくりとではありますが、IT業界でよく使われる契約形態について説明してきました。
実際の現場は、もう少し複雑かつ泥臭い感じになっています((-_-;))。
例えば、請負なのに進捗報告をしていたりなどはよくある光景です。
発注側からすると、複数のベンダを選べる状態にあるので、受注側は発注側の満足度を高くして、次の案件でも受注できるように善処しています。
泥臭いIT業界ではあるものの、契約の基本を知らないと、無理なことを押し付けられたりしますので、
自分を守るために最低限の知識は持って対応できるようにしたいですね。

この記事があなたのITエンジニア人生の助けになれば幸いです
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