こんにちは、28歳の時に未経験からITエンジニア(IoTエンジニアではありません。普通にITエンジニア)を目指したniyuta(@niyuta)です。
初心者がIoTエンジニアを目指す場合にIoTの概要を手早く把握できる、IoT検定資格について解説します。

IoT検定資格受験者向けの参考資料を利用すれば効率よく学習ができるため、IoTについて学ぶ時におすすめですよ
目次
IoTエンジニアを目指すのにIoT検定資格は必要か?

以前書いた「ITエンジニアに資格は必要?」の記事のように、IoT検定資格を取ったほうが「就職に絶対的に有利」とは残念ながら言い切れません
しかし、IoTを冠する検定資格が少ない今の時点でIoT資格を持っている、つまりIoTの概要を説明できるスキルがあると言える事は、未経験者にとってもITエンジニアにとっても大きなイニシアティブです。
なぜならば、今現在IoTエンジニアはかなり不足しているからです。
検定資格はその分野に必要なことが網羅されている為、つまり、資格を取得しているということはその分野について全体的な知識があることを証明できるからです。
IoT資格はIoTエンジニア以外にも幅広い受験者を見込んだ資格
IoTが社会に普及するために関わっているのはIoTエンジニアだけではありません。
IoTを使うユーザーやIoTサービスの提供者など、それぞれの立場に応じて必要とされるIoTスキルをはかる為の資格検定も用意されています。
SIerやIT企業で活用するスキルをつけたいのであれば、IoT検定プロフェッショナル・コーディネータを、IoT分野について知りたい現職ITエンジニアの方はIoTシステム技術検定がおすすめです。
IoT検定プロフェッショナル・コーディネータ……SIerやIT企業で活用できるスキル
IoTシステム技術検定……現職がITエンジニアの方におすすめ
各検定資格の概要欄にあるテキストやスキル・レベルを参考にして、ご自身に適したレベルの検定資格を選んでみましょう。


お伝えしたい資格とレベルは4つ!
現在実施されている2つのIoT検定制度(IoT検定とIoTシステム技術検定試験)で認定される資格から4つの資格レベルをとりあげて解説します。
IoT検定
試験実施機関:IoT検定制度委員会
ユーザー試験「パワー・ユーザー(IoT-PU)」とレベル1試験「プロフェッショナル・コーディネータ(IoT-PC)」は、上の図のようにIoTへの関わり方の違う受験者層を想定しており、IoT-PCは中小企業診断士やSierのIoTプロジェクト担当者などを想定している資格です。
パワー・ユーザー……IoT利用者
プロフェッショナル・コーディネーター……IoTコンサルタントやエンジニア
IoT検定ユーザー試験パワー・ユーザー(IoT-PU)認定の概要
IoT検定ユーザー試験のスキルレベルは、IoT用語がわかり、プロジェクトに配属された時などに業務内容が理解できることとされています。
IoTに関する各分野を深堀りするのではなく概要を掴むことに重点があるため、公式テキストも初めてIoTについて学習する方にわかりやすくまとめられています。
もう少し開発よりのことが知りたい場合は、公式テキストではありませんが同シリーズの「図解即戦力 IoT開発がこれ1冊でしっかりわかる教科書」が良いでしょう。
IoT検定ユーザー試験パワー・ユーザー(IoT-PU) | |
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出題形式 | CBT(Computer Based Test) 三肢択一 |
試験時間 | 40分 |
問題総数 | 48問(8分野 × 6問) |
評価判定 | ABCのグレード判定 正答率86~100%→グレードA 正答率76~85%→グレードB 正答率66~75%→グレードC 試験終了後、受験会場で渡されるスコアレポートで確認できます |
受験料金 | 8,800円(税込) |
テキスト | 図解即戦力 IoTのしくみと技術がこれ1冊でしっかりわかる教科書 |
スキル | IoT検定スキルマップ(ベータ版)ユーザー試験 |
参 考 | IoTリテラシーチェック(IoT検定ユーザー試験対応) |
IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・コーディネータ(IoT-PC)資格の概要
IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・コーディネータ(IoT-PC)のスキルレベルは、IoTの基本用語がわかり上位者の指示に従ってIoTプロジェクト業務を遂行できるとされています。


スキルレベルはおおよそ基本情報処理技術者(FE)と同等を想定していると思われます
IoT検定レベル1試験プロフェッショナル・コーディネータ(IoT-PC) | |
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出題形式 | CBT(Computer Based Test) 四肢択一 |
試験時間 | 60分 |
問題総数 | 70問 |
評価判定 | 60%以上の正答率で合格 合格者には、後日プロフェッショナル・コーディネータ認定証が発行されます |
受験料金 | 11,000円(税込) |
テキスト | IoTの全てを網羅した決定版 IoTの教科書 |
スキル | 検定スキルマップ(ベータ版)プロフェッショナル試験 |
参 考 | IoTスキルチェック(IoT検定レベル1試験対応) |
IoTエンジニア向けのIoT検定資格は未実施
2021年2月時点では実施されていませんが、IoT検定レベル2試験プロフェッショナル・エンジニア資格(IoT-PE)とIoT検定レベル3試験プロフェッショナル・アーキテクト資格(IoT-PA)が今後実施される予定です。
IoTシステム技術検定試験:基礎検定・中級検定と上級検定の違い
試験実施機関:モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)
IoTにまだ関わっていない方には、基礎・中級検定に比べて上級検定は独学では難しいかもしれません。
上級検定の受験対象者は、IoTシステム技術検定中級検定合格者、または情報処理学会のCITP資格者・早稲田スマートエスイーの修了者です。
例えば、早稲田スマートエスイーは60万円ほどの費用と半年の期間が必要です。
2021年2月時点ではテキストなどもMCPC公式ページに記載がないため、独学向けの当面の選択肢は中級検定までとなりそうです。
IoTシステム技術検定試験基礎検定の概要


IoTシステムのユーザー企業、システム提供する企業の営業・スタッフ、新社会人・学生の方が受験対象
基礎検定(IoTアドバイザ) | |
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出題形式 | 選択式 |
試験時間 | 60分 |
問題総数 | 60問 |
評価判定 | 合否判定・合格証書はネットにて各自ダウンロード |
受験料金 | 11,000円(税込) |
テキスト | IoT技術テキスト基礎編第2版 |
参 考 | 基礎検定 サンプル問題 基礎検定 サンプル問題の解答 |
IoTシステム技術検定試験中級検定の概要
中級検定(IoTエキスパート) | |
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出題形式 | 選択式 |
試験時間 | 90分 |
問題総数 | 80問 |
評価判定 | 合否判定・合格証書はネットにて各自ダウンロード |
受験料金 | 15,400円(税込) |
テキスト | IoT技術テキスト第3版 |
参 考 | 中級検定 サンプル問題 中級検定 サンプル問題の解答 |
IoT技術テキスト 第3版 ― MCPC「IoTシステム技術検定 中級」対応 ―
IoTエンジニアに必要なスキルを手早く知るためのIoT資格2選のまとめ
自分のスキルにあった検定資格を活用すれば一気に「IoTの概要」をつかめるため、今春はIoTのスキルアップ目指して資格取得、又はテキスト学習から始めてみてはいかがでしょうか。
IoTに必要なスキルがわかる→プロトタイプの開発方法が知りたい→Raspberry Piで工作してみる→Pythonのプログラミング知識を深めたい。といった、ワクワクする循環も生まれます。
現職のITエンジニアの方が一気にフルスタックのIoTエンジニアになることはなくても、自分に近い分野からコツコツと学習しておくことが身を守ることにもなります。
というより、エンジニアにはこのようなスキルアップを楽しめる気質の方が多いのではないでしょうか。
IoTエンジニアについては別の記事でも紹介していますのであわせてご覧ください。


この記事があなたのITエンジニア人生の助けになれば幸いです
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